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序章
やっと笑ってお話できるようになりました。今、我家には4頭のコーギーがいます。1頭は子犬の頃から我家で育った7歳の女の子。
それに、最近家族に加わった女の子が2頭。
そして、お話の主役となる、2002年の1月に捨てられて、縁あって我が家に来た6歳の男の子です。
彼の名前はボー。でも、我が家に来るまではきっと別の名前で呼ばれていたのです。
今、その名前を調べることも知ることも、私達には出来ません。
ですが、 今では彼は「ボー君」と呼ばれることに慣れてくれています。
「ボー君」と私達が呼ぶと、彼はすぐに寄ってきて私達の顔や手をペロペロ舐めてくれたりもします。
実は、我家にやってきたボー君と私は、この数年間、泣き笑いしながら暮らしてきました。
文字通り傷だらけになりながらの生活でした。
「捨て犬を助け出したのね」「偉いわねェ」。そんな言葉を何度も言われました。
でも、そんなことじゃないのです。
それは確かに、彼を助け出したのは事実です。
でも、本当の「大変さ」はそれから後始まったのです。
彼をセンターから引き取った時、
私はまさかその後数年間も彼と泣き笑いするとは予想もしていませんでした。
慣れない?人見知り? それとも違うのです。
ボー君は保護された時に推定1歳。
生まれてからのわずか1年間に、ボー君になにが起きたのか。
今、私は彼が生まれてから私と出会うまでの1年間を、なんとなく想像できるようになりました。
その1年間のボー君を思うとき、私は涙がとまらなくなります。
そして、ボー君を追い込んでいった飼い主の方に怒りを覚えもします。
ただ、最近、悪いのは飼い主さんではないとも思うようになりました。
きっとその飼い主さんも悩んだと思います。
でも、解答が得られなかったんですね、きっと。
どうしたらボー君と信頼関係を築けるのか。
それだけを模索し続けた数年間でした。
毎日が戦いでした。何度も私は泣きました。きっとボー君も泣いたのだと思います。
何度も何度も噛まれました。時には怒り、時には泣き、時にはなだめ。。。
吠えかかり、歯を剥く彼に何度も何度も涙しました。
先住犬の娘はストレスを起こして体調を壊しました。
ボー君は、完全な人間不信だったのです。
もちろん権勢症候群の兆候もありました。
でも、一番の問題点は、突発的に引き起こされる攻撃性だったのです。
その瞬間、彼は何もかもわからなくなってしまいます。
とんでもないパニックを起こすのです。
そして、猛烈な勢いで攻撃を仕掛けようとします。
ある本によれば、
「かつて経験したトラウマなどが原因。治すのは難しい。 」と書いてありました。
絶望的な内容です。
以前飼育されていた環境や状況の中で、彼の身に何かが起きたのです。
そして、彼は彼自身の身を守るために、攻撃をするようになったのです。
それは深いトラウマとなって彼の中に植え付けられ、
それが故に、彼は捨てられてしまった。。。
実は、ボー君はそんな問題点を抱えていました。
彼と出会って、彼と暮らし始めて、数年たちました。
今、その間にあった全ての出来事を笑い話にできるなと、私はそんな予感を持っています。
年間20万頭以上のワンちゃんが保健所などに収容され、飼い主さんが見つからないまま殺処分されています。
その大半は、人間に飼われていた飼い犬です。そう、ほとんどの子達が捨てられたのです。
どんな事情があるにせよ、捨てることはイコール殺すことを意味しています。
なんで家族が死ぬようなことを、殺されてしまうことをしてしまうのでしょう?
でも、捨てるという行為自体はちょっと置いて、何故捨てるのか考えてみたのです。
「安易な気持ちで飼いすぎる。」
これしかないような気がしてなりません。たぶん、これが最大の原因なのでしょう。
実は、ボー君のお話をしようと考えたのは、これが理由でした。
安易に飼う。衝動的にショップで買う。。。。。
もし、これからワンちゃんと生活したいと思っている方がいたら、
ぜひ、ボー君との話を知ってください。
ボー君がやってきた時、私は絶望感に包まれました。
それくらい問題の多い子でした。
でも、それは100%以前飼っていた方の責任なのです。
ボー君自身には何一つ悪いところも責任もありません。
そう、飼いかた、暮らし方の問題なのです。
ボー君との泣き笑いの話しが、多少なりとも皆様のお役に立てて、
ボー君のような不幸な子を減らすことができたら、
それは私にとって、 一番の幸せです。
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